近年、タワーマンションに住む人達の間で、高層階症候群という症状に悩まされる人が増えています。
高層階症候群という言葉を初めて聞いたという人も多いと思いますが、タワーマンションの高層階だからこそ起こる症状である事から、これからタワーマンションに住もうと思っている人にとっては知っておくべき要素とも言えます。
そこで今回は、タワーマンションの高層階症候群とは?というテーマで、高層階の体調不良はあるのかという点について詳しく解説していきたいと思います。
タワーマンションの高層階の体調不良はある?
それでは早速、タワーマンションの高層階の体調不良はあるのか?という点について見ていきましょう。
結論から言うと、タワーマンションの高層階の体調不良は人によってあると言えます。
タワーマンションは、一般的なマンションよりも階数が多く高層階へ行けば行くほど、地上では感じない体調不良を感じてしまうという事があるのです。
特に、妊娠中の女性や子どもの体への影響が大きいとの調査結果も出ており、注意すべき点として注目されています。
高層階症候群の特徴
では次に、高層階症候群の特徴を解説していきたいと思います。
流産・死産の割合が高い
まず1つ目は、流産・死産の割合が高いという事です。
東海大学医学部講師の逢坂文夫氏が発表した「住居環境の妊婦に及ぼす健康影響について」という論文によると、流産・死産の割合が1~2階では6.0%、3~5階では8.8%、6階以上では20.88%という結果が出ており、高層階になればなるほど流産・死産の割合が高くなる傾向がある事が分かったのです。
高層階症候群による流産・死産に関しては、日本だけでなく海外でも関心が高まっており、オランダでは育児世帯の8階以上への入居を禁止していたり、イギリスでも育児世帯は4階以上への入居が出来ないようになっています。
このように、タワーマンションの高層階症候群は妊婦にとって体への影響が非常に大きいとされています。
めまいや不眠・神経症状が出やすい
そして2つ目は、めまいや不眠・神経症状が出やすいという事です。
先ほどの、東海大学医学部講師の逢坂氏の調査結果によると、タワーマンションの5階以上に入居している人の中で神経症状に悩まされている人の割合は13.2%になり、それに付随する形で不眠やめまいに悩まされるケースが多いと分かっています。
また、神経症状はストレスとも密接に関わっているため、子どもが不登校になったり引きこもりがちになるなど心身への影響も懸念されています。
高層階症候群が起こるメカニズム
では最後に、高層階症候群が起こるメカニズムについて解説していきたいと思います。
ここまでで、高層階症候群の特徴をいくつか挙げましたが、タワーマンションの何が原因で起こっているのかが分からないと不安ですよね。
タワーマンションの高層階症候群は、主に下記のような原因によって引き起こされていると考えられています。
・タワーマンションの構造によるもの
・低気圧によるもの
・自然音が聞こえない事によるもの
タワーマンションは、免震構造を採用して造られているため、高層階になればなるほど揺れやすいようになっています。
これは、地震が起きた時にその揺れを分散させるためのものなのですが、これが人間にとっては三半規管に影響を与えめまいに神経症状を引き起こしていると考えられているのです。
また、タワーマンションの高層階は、地上に比べると気圧が低く100m上へ行くごとに気圧は約10hPaも低下します。
そのため、低気圧によって体調に支障が出る事があるのです。
さらに、タワーマンションの高層階では鳥や地上の音がほとんど聞こえないため、精神的な部分で閉塞感に近い感情を抱く傾向があります。
通常ならば、家の中にいても鳥や動物の声が聞こえたり、車や人の話し声なども聞こえてきますが、タワーマンションの高層階となるとこのような音は家の中にいると全く聞こえません。
そのため、このような自然音のない生活の中で日々の積み重ねがストレスとなり、結果的に高層階症候群の症状として表面化してくるとされているのです。
まとめ
さて今回は、タワーマンションの高層階症候群とは?というテーマで、高層階の体調不良はあるのかという点について詳しく解説してみました。
タワーマンションは、人間の満足感を刺激する憧れの住まいでもありますが、一般的なマンションでは感じない体への影響があるのも事実です。
特に、心身共にデリケートになりやすい妊娠期間中では、高層階の影響をダイレクトに受けやすく、子どもが産みづらいという悩みを抱える要因にもなります。
もちろん、全ての人に該当するわけではありませんが、今後タワーマンションの購入を検討している場合は、高層階症候群について覚えておくと安心でしょう。
コメント